オリバー・サックス「手話の世界へ」

手話の世界へ (サックス・コレクション)

手話の世界へ (サックス・コレクション)

「打ちのめされるようなすごい本」 から。
第1章の症例紹介っぽい部分はちょと退屈でしたが、後半に向かってどんどん面白くなりました。これはつまり、作者の聾社会へのアクセスを追体験する為の構成なのね。第2章で、音声言語に根底から違っている手話という言語の魅力にたっぷり漬かって抜けられなくなった所で、第3章の<聾者>という<民族>の自立に繋げているのがドラマチックです。