猫森集会 Dプロ <小室さんもおさかなも雨の中> 1日目

小室等さん、かっこいいです! さすがというか、想像以上というか。
音楽的にもMCでも、浩子さんが包み込まれる側であるというのが、とても新鮮でもあり、そんな浩子さんがすっごく可愛かったのでした。

以下、レポートです。
まずは浩子さんとAQ!さんだけ出てきます。

♪裸足のきみを僕が知っている

のっけから、すごく緊張していますという浩子さんです。小室さんとは立ち入った打ち合わせとか出来なかったので、どうなるか全然わかりませんとの事。
小室等さんは浩子さん自身がすごくファンで、追っかけもしたし、事務所で電話番もしたことがあるんだとか。
その当時、高校1、2年の頃に作った曲を2曲。

♪お早うございますの帽子屋さん
♪猫の森には帰れない

中学3年のときに、ラジオの深夜放送で「比叡おろし」が流れて、聞くなり鳥肌が立ったそうです。「すごい、これはなんだかすごいって(浩子さん)」。翌日レコード屋さんに走って、ラジオだから名前を聞き取れなくて最初ムロオヒトシと言ったらお店のひとが訂正してくれたとか。同じキングレコードだったので、レコーディングに遊びに行ったりもして、その時着た服まで覚えてるそうです。
自由劇場という劇団の劇中歌を小室さんはよくやっていて、小室さんがツアーでいない間に変わりに浩子さんがピアノを弾いたこともあったそうです。その時の「セブンソングス」という芝居の劇中歌から「愛のばら売り」。この曲は小室さん自身も覚えてなくて、歌った役者さんももしかしたら忘れてるかもしれない。「わたしが死んだらこの曲は消滅してしまうかも(浩子さん)」。

♪愛のばら売り
♪一日(ひとひ)

ここで、小室さんを呼び込みます。小室さんから手を出して浩子さんと握手、浩子さん、すごく嬉しそうです。
浩子さんは35年前の谷山浩子が強く出ているそうで「後の事はよろしくお願いします(浩子さん)」。
介護されるのには慣れてるけど、介護する側には最近したことが無いという小室さん。「ずいぶん長い間今の谷山浩子をやっていたもので」と、未だ硬さが抜けない浩子さんです。そういう時には十代の頃の自分に向かって「悔しかったら今みたいに歌ってみろ」と言ってみるというのが小室さんのアドバイスです。「すごい、それは効く(浩子さん)」。「ほっとこうや、あいつのことは(浩子さん)」「あ、あいつ!?(浩子さん)」。
次の曲は「スパイ物語」というお芝居から2曲。「雨が空から降れば」は他の人も歌ってくれてるそうですが、「私はスパイ」は誰も歌ってくれないとのこと。「真面目に考えるとどういう解釈していいかわからないし(浩子さん)」

♪私はスパイ
♪雨が空から降れば

演ってみて小室さんもちょっと昔に戻ったそうです。「あいつもイイやつでしたね(小室さん)」。小室さんは変わらないという浩子さん「初めから年寄りで暖簾を出したものですから(小室さん)」。子どもの頃からそうだったのかという浩子さんの質問には、大学くらいまでは童顔でヒゲを伸ばしはじめてからはこんな風とのお答えです。わりあい、早く年寄になりたいタイプなのだそうです。
一方、久しぶりにゲストに敬語を使っているという浩子さんです。小室さんには、小室さんの時間っていうのがあって、同じテンポでやっててもすっと吸い込まれるような所があるとの事。「針灸みたいな?(小室さん)」「はい?(浩子さん)」。小室さん曰く、年寄を相手にする時に大事なのは、反応すべき所と流す所を見極めるのが肝心なのだとかヽ(^^;)ノ。

♪雨

これがもう、なんともいえず美しいのです。舞台の上でも「気持ちよかった(浩子さん)」「僕も気持ちよかった(小室さん)」と大満足のご様子です。最も、浩子さんとAQ!さんは小室さんの世界を壊さないように、そおーっと行ってたそうですが。
ここでも、チューニングしている小室さんに話しかけようとして「ちょっと、しゃべってなさい(小室さん)」「ハイ!(浩子さん)」と可愛いやり取りがあったり。
リハーサルの時まで、小室さんはここまでで退場と思っていたそうです。資料として全曲の譜面が来ていて、ずいぶんと丁寧な仕事なさってる事務所だなーと思ったとか。でも、猫森集会のゲストというのは出てきたら最後までいるものということで出てもらいました、と、浩子さん。そうか、そういう形態というのはむしろ珍しいのですね。わたしは浩子さんのコンサート以外はあまり知らないのでこれが普通なんだと思ってました。
あと、この舞台の形式(客席は舞台を取り囲む様に四方にあって、ミュージシャンはお客さんに背を向けて中央を向いている)も、昔だったらお前はテキに背を向けるのかとでも言われそうだとのコメントです。特に小室さんのファンで、小室さんの背後の席に座っているひとは理不尽を感じているかも。「人生ってそういうものですよね(浩子さん)」
ただ、演奏はやりやすいそうです。コラボレーションしやすいとの事で。「正しい!!(小室さん)」の言葉に、浩子さんは大喜びです。
好きな様にやって、結果として良い音楽が出来れば、お客さんにとってもそれが一番いいという小室さんのブチ上げに身体全体でうなずく浩子さんです。この猫森集会の前半ではしゃべりすぎて演出のひとにすごく怒られたという件を「演出なんてハイハイって聞いてればいいんです(小室さん)」。浩子さんは、さっきも言ったけど、小室さんの言う事は全部聞いちゃいますよ!、と脅しにかかってます。「もうひとつ大事な事は、言った事に責任は取らない!(小室さん)」。
次の2曲は浩子さんの曲の中で、特に小室さんの影響を強く受けているという曲です。「どうりでやりやすいと思った(小室さん)」。

沙羅双樹
♪意味なしアリス

演奏が終わるたびに、幸せそうにため息をつく浩子さんです。「意味なしアリス」は小室さんの「デッドヒート」とか「月旅行」とかの流れを汲む曲との事。「ヘンな曲なんですよぅ(浩子さん)」と出だしを少しだけ小室さんと一緒に歌ってくれましたが、「今の歌ほどじゃない(小室さん)」。
次は、ニューアルバム「フィンランドはどこですか?」(疑問符強調)から。疑問符がついているので、お店で聞くときにも「どこですか?」と語尾を上げて下さいという浩子さんに、「注文の多いシンガーソングライター(小室さん)」と絶妙の突っ込みが入ります。「あげなくていいです!(浩子さん)」。
もう無くなった方ですが、高田渡さんの話題もあり。小室さんの自己申告では、小室さんは介護されているという意識があるけれども、高田渡さんにはそれすらなかったとの事。浩子さんも様々な伝説がありますよね、と、「歌いながら寝るとか(浩子さん)」。小室さんによると、曲の最中に突然歌が止まるのだそうです。お客さんの側では、歌が止まったので、何か気に障ることをしただろうか僕たちと縮こまっていると、スピーカーからいびきの声が聞こえてくる、といった調子だそうです。
この曲をお願いした時も、小室さんは行ってギターを弾けばいいと思っていたのだそうです。浩子さんサイドではプロデュースをお願いしたつもりだったのですが。行った所で、浩子さんもAQ!さんも何もしないので、どうしたのかなと思ったそうです。浩子さんとAQ!さんも小室さんが何か考えてきているだろうと思って、どうしたんだろうと思っていたとか。

♪きみのそばにいる
♪フィンランド

このアルバムもいいけど、「北極ライフ」はいい本だね!と手放しで誉める小室さんに、浩子さんは感激してます。「これ以上言ったら言いすぎという丁度いい頃合(小室さん)」。
などと話が長くなってますが、ふと小室さんが気づいた様子。「今日やり逃げだと思ったら、明日もあるんだよね(小室さん)」。

♪ひとりでお帰り
♪卵
♪テルーの唄

浩子さんも小室さんも、リハーサルをやっても、リハのときと違う風になってしまう。どうしてもそうなっちゃうものがあるとの事。「もっと正しく言うと、同じことが出来ない(小室さん)」
かつて浩子さんがレコーディングに遊びに来たことを、小室さんも覚えているそうです。変わった娘が来ちゃったなぁ、と思ったとか。「中学生なのに別役実が好きとか(小室さん)」「小室さんの影響なんです(浩子さん)」。
今日は旦那が聞きに来ているけれど、きっとやきもちを焼くという浩子さんの言葉を受けて「さっき、いっしょに煙草吸いました(小室さん)」「煙草やめてたのに!(浩子さん)」。
会場は大爆笑、小室さんは大慌てです。「けっこうボケてると言いつつ、ノーミスだと思ったのに最後にミスしちゃったなぁ(小室さん)」。小室さんは奥様がテニスをやってて、しかもかなりの実力派でオールジャパンに出場したりする程なのだそうですが、それを応援に行ったりすると胃が痛くて煙草でも吸わないとやってられないそうです。それだけ妻を思っているということだ、と、必死で浩子さんをなだめたり。でも、最後に「吸ったのかー」としみじみ呟いている浩子さんでした。

♪海の時間

ピアノを間違えた浩子さんに、マイルスの言葉を教えて励ます小室さん。間違ったら恐れずもう一度その音を出せ、だそうです。小室さんもやってみたことがあるそうですが、判ったのは、俺はマイルスじゃないって事だったとか。
そんな小室さんに浩子さんは、今回お呼びしたのはもちろん一緒に演りたかったのはもちろんの事、いつも谷山浩子を聞きに来ているファンのひとたちに師匠を見せたかったというのもあるそうです。「わたしのせいじゃない!(浩子さん)」。
そんなこんなでアンコールは、なんとこの曲です。しかもサビはみんなで歌おうです。小室さんからの注意事項「耳につくので、家に帰っても聞こえる」だそうな。

◎素晴らしき紅マグロの世界